他人と比較しがちなこと~意味のある比較にするには~
人と比べたりしない。と心に決めていても、つい人と比べてしまうこともある。
比較した結果、なにかアクションを起こすためのエネルギーになれば良い。しかし、多くの場合はなんとも言えない気分になるだけで、比較損で終わってしまう。
どのように比較すれば、意味のある比較になるのか考えてみる。
■収入、給料
「なぜ自分よりあの人の方が給料がいいんだろう?」と比較する場合、比較対象は同じ会社で同じ業務を行っている同期のみだ。収入差がついているなら、「自分とほぼ変わらない仕事をしているやつ」と思っているのは自分だけ。その同期の仕事ぶりを観察し、自分に足りないことを見つけ、言動に反映させれば、収入アップする可能性が上がる。
同じ会社でも自分と違う業務を行っている人は、重要度や評価軸が違うのだから、差があって当たり前だ。
それでも比較するなら、業務変更を希望すればいい。
別会社の人は、給料査定している人や基準が違うのだから、差があって当たり前だ。
それでも比較するなら、転職活動をすればいい。
別業界の人は、業界の市場規模が違うのだから、差があって当たり前だ。
それでも比較するなら、その業界へ転向すればいい。
■持ち物
これは比較する意味がほとんどない。収入やお金のかけ方は人それぞれなので、「なんで、あの人は○○を持ってるのに、私は持っていないんだろう」というのは比較ではなく、ただのひがみだ。もしくは欲張り。
他人の持ち物と自分の持ち物を比較するのではなくて、自分のお金の使い方や稼ぎ方を見直すほうが自分の欲しいものを手に入れられる気がする。
■パートナー(恋人、配偶者)
「○○の奥さんってうちのと比べてしっかりしてるし気がきくんだよなぁ」
人の彼氏・彼女や旦那・奥さんと自分の相方を比較・・・意味がないというか失礼極まりない。
パートナー同士を比較することよりも、その人と自分を比べた方がいい。パートナーは自分の鏡だから。自分にも問題があると考え自分に焦点を当てるか、少しダメなところがあってもそれも含めて愛せる自分に変わるかどちらかだ。
■生活水準
これも持ち物同様、他人と比較するものではない。比較したところでベースが違う場合があるからだ。住宅ひとつをとっても、賃貸・持ち家によって支出は違う。また収入は月々の給料だけでなく、遺産や貯金なども生活水準に関わってくる。そうなると比較しようがない。
どの期間を比較対象にするかどうかによっても異なる。今は贅沢な生活をしていても、将来もずっと贅沢な生活をしているとは限らないし、その逆もありえる。
■体型、容姿
体型であれば、同じ身長で同じような食生活をしている人と比較するといい。自分の体質なのか、運動不足が原因なのかがわかる。
自分と比べて食事が少ない人と体型を比較しても仕方がない。食べている量が多くて自分のほうが太ってるのは明らかだから。
もし比較するなら食事内容。そのほうが改善の余地がある。
自分の身長と差がある人とも比較しようがない。骨格が違えば、体格も違うのは当たり前。
容姿を人と比較するのは難しい。整形も悪いこととは思わない。けれど、「○○になりたい」といって特定の人の顔を目指すのは疑問だ。似た顔にはなれるかもしれないけれど、全く同じ顔にはなれないから、そこでギャップが生まれてしまう。
■老化度
同い年と比較してどっちが老けているかなんて考えなくていい。
老けているかどうかを判断できるのは、その人の年齢を知っているということ。他人から見たら2人が同級生だということもわからなければ、年齢だってわからない。年齢がわからなければ、老けているか判断もできないのだ。
老化度に関しては過去の自分と比較しても意味がないだろう。年を取ってるんだから、老けて当たり前。それよりも、悲壮感や疲労感が漂った見た目になっていないか?姿勢はピンとしているか?といったことに意識を向けたほうが若々しくいられそうだ。
■人と比較しなくていいことのほうがほとんど。
人と比較するということは、比較する価値がある事柄かつ自分と同じ条件でないと比較にならなさそうだ。
条件が違う人と自分を比較してしまうと、ただ劣等感を感じるだけ。もしくは過剰な自信に繋がり、他人を見下してしまう。
本当は誰とも比較せずに生きるのが一番良いだろうけれど、つい比較してしまい良くない気分になった時は、まず「比較する相手と自分は同じ条件なのか」考えて、自分とその人は別のヒトだと認識することから始めたい。