会社を辞めたいという感覚が正しいこともある。目的のない「我慢」はしない方がいい。
「新卒の新入社員がもうこの時期にやめてしまった。ゆとり世代だ。」なんていう言葉が出てくる季節に入った。個人的には世代は関係ないと思うし、入社して早々に辞めてしまうのが悪いことだとは思わない。
「入社したら少なくとも3年は働く」という考えが本当に必要な時と、そうでない時があると思う。自分がどうしても入りたくて入った業界・会社で、「頑張ればなんとか乗り越えられる」と思える壁にぶち当たっている程度なら、そのまま続けた方が自分のためになる。
「ここでプロとして学ぶんだ」という目的があれば、多少の我慢もできるだろうし、そもそも「会社を辞めたい」という気分にすらならないだろう。
「会社を辞めたい」という気持ちになった時、なにかしらひっかかる部分があるということ。その会社に対するネガティブな印象がそうさせることもあれば、実際働いてみて自分の本当にやりたいことに気づくこともある。
他のやりたいことができたなら、即その方向に進むか、それに役立てるノウハウをその会社で徹底的に学び、準備期間として働けば良いと思う。諦めてなんとなく働いてしまうのが一番もったいない。
「会社を辞めたい」と思いながらも、その会社で働いている場合。我慢して働いているということだ。一番問題なのが、目的のない「我慢」
目的のある「我慢」は、
・残業はあるけれど、収入はそれなりにいいから。
・気に入らない上司がいるけれど、同僚には恵まれているから。
・まだ下っ端の仕事しか任せてもらえないけれど、このまま頑張ればやりたい仕事ができるから。
という形に、不満点があっても続けたいと思える理由がある場合。その「我慢」をすることで手に入るものがある。「我慢」というより、その環境に納得して働いているということ。
それに対して、目的のない「我慢」は、その会社で働き続けたいと思える理由がない場合。
『残業多い。人間関係は最悪。給料低い。その他問題あり。』
→でも、入社したばかりだから我慢して働く。
→でも、転職活動が面倒だから我慢して働く。
→でも、会社が辞めさせてくれないから我慢して働く。
→でも、他の会社で採用されるかわからないから我慢して働く。
このような目的のない「我慢」は、その会社で働いている限り一生続いてしまう。この「我慢」で手に入るものは、一体なんだろうか。世の中には、本当にブラックな企業も存在する。そこで我慢し続けていたら身体や心を壊してしまうこともありえるだろう。
「こんな短期間で辞めるなんて、考えが甘い!」という強い言葉を言ってくる人もいるかもしれない。けれど、そんな短期間で辞めてしまうような人を採用した会社側にも責任があるというか、見る目がなかったんじゃないか?と思う。退職する人間だけが悪いというよりは、会社と従業員のマッチングの問題。
(それか、もともと「社員は我慢してでも働くべきだ!」という考えなのか。)
たしかに勤続年数が短い状態での転職は、不利になる場合がある。でも、辞めた理由がちゃんとした理由なら、わかってくれる会社は多い。
そのためには、
辞めた理由(過去)+どういう会社だったらずっと働けるのか?(未来)
を自分の中で明確になるまで考えればいい。
会社に残っている側の人も、退職していった人に対して、「考えが甘い。」という 発想ではなくて、「どういう環境だったら、一緒に働いていけたんだろう?」と少しでも考えることは必要なんじゃないかなと思う。